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世界の名画解説「最後の晩餐」。


レオナルド・ダ・ヴィンチ

最後の晩餐

最後の晩餐



最後の晩餐


 この作品は新約聖書(ヨハネによる福音書13章21節)、弟子たちの内の一人が自分を裏切ることを予告した場面を描いたもので1495〜1498年にかけてレオナルド・ダ・ヴィンチによってサンタ・マリア・デッレ・グラッツイエ修道院の食堂の壁に描かれました。
ダ・ヴィンチの作品の中では最大で唯一の壁画ですが作品の痛みがひどく長らく修復作業を行い1999年に修復作業が終了しました。とはいえダ・ヴィンチが描いた当時の状態に戻ったというわけではありません。なぜなら、この作品は今日までの長い間に何度も修復と加筆が行われたことによりオリジナルの状態へ戻すことが極めて困難であったからです。

ミケランジェロやラファエロも壁画を描いていますが今日でもかなり良好な状態で残っています。いったいどうしてダ・ヴィンチの作品だけ痛みが激しいのでしょうか。
それは、ダ・ヴィンチの技法に問題があったからです。
本来壁画はフレスコ画技法を使って漆喰の乾燥前に描き、乾燥しながら絵の具が壁面に定着する方法で作品を完成させます。つまり、その日描く分だけ漆喰を塗り、描くという作業を繰り返すわけです。

しかし、この方法はダ・ヴィンチの作業スタイルには全く合わないのです。
ダ・ヴィンチは作品を完成させるのに何日も思考し、描いては修正、加筆するといった方法で制作します。
本作品も、しばらく眺めては一筆だけ加えて帰っていくこともしばしばあったと言われています。
ですから、ダ・ヴィンチは板やカンヴァスに描くのと同じ油性テンペラ技法によって描いた
のです。そんなわけで当時から作品の保存に関し危惧する声があったと言われています。
この作品は、ダ・ヴィンチが存命時から痛み出したようです。



それでも、この作品のすばらしさは今日でも堪能することが出来ます。
何といっても、その構図と人物表現に注目です。

遠近法の消失点が中央のイエスの顔にある。ほぼ画面の中央。
その結果構図のバランスが完全に保たれています。




「この中に私を裏切る者がいる」

イエスの言葉に驚愕し、「それはいったい誰だ!」と狼狽える12使徒。

裏切者はユダ。

画面の12使徒は3人ずつ4つのグループに分かれ左右対称の人員構成となっており、ここでも全体のバランスが保たれています。



テーブルの上にある食べ物はワインとパンと魚の切り身。

使徒の困惑した表情と、「それはだれなんだ」という疑心暗鬼の表情が入り交じる絶妙な表現がこの作品の主題なのです。

下の作品はカラヴァッジョの「キリストの捕縛」(ユダの裏切り)です。
ユダがキリストに接吻するのを合図にローマ兵がイエスを捕縛する場面。
「最後の晩餐」の翌日の出来事。 




下の画像は実際に「最後の晩餐」が行われたと言われる部屋。

イスラエル エルサレムのシオンの丘にある「上の部屋」




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