本文へスキップ

有名西洋絵画の解説と紹介をするインターネット美術館です。

「編み物をする少女」

ジョバンニ・セガンティーニ (イタリア)1858〜1899

作品名:編み物をする少女
製作年:1888年
サイズ:60x100cm
技法 :油彩 キャンバス
所蔵 :チューリッヒ美術館

セガンティーニはイタリアのスイス国境に近い北部の山村に生まれた。
ミラノで美術を学んだが、画商のヴィットー兄弟の助言によりアルプス山中に住み、山村の情景を好んで描いた。
セガンティーニは、これまでにない画法でアルプスの風景画を描き、芸術界を驚かせた。
アルプスのような高山は空気がうすく、描く対象となるものの輪郭が明瞭であるため、ヨーロッパの平地の風景などを描くのに用いられてきた、
風景を単純化して描く印象派風の技法では、高山の風景を描写することが困難であった。
そのため、セガンティーニ以前に高山を描いて成功したものはなかった。
セガンティーニは印象派の技法を取り入れつつ、澄んだ空気によって明瞭に見える細部を省略せずに描いた。
したがって、山岳の構成などは極めて精緻に描かれている一方、絵全体の眺めには統一性がある