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カナレット、本名はジョヴァンニ・アントーニオ・カナールはヴェネツィア共和国の景観画家、版画家である。ヴェドゥータ(都市景観画)を得意とした。 父親であるベルナルド・カナールも画家であったことから区別するために「小カナル」(カナレット)と呼ばれるようになった。 1719年ごろローマで、父親とともに、劇場舞台背景絵画制作をやっていた。1720年までにはヴェネチアに帰ってきている。1726年以前から英国人の顧客をもっていて、特に大商人でヴェネチアにおける英国商人の代表でもあったジョゼフ・スミスをパトロンとした。 スミスはカナレットの作品を外の英国人へ売る画商でもあった。1746年〜1756年に数度英国滞在して作品を制作したので、英国の風景を描いた作品も多い。カナレットは晩年も健勝で視力が確かであったらしく、『サン・マルコの聖歌隊』という素描絵には、『我ズアネ・アントニオ・ダ・カナル、ヴェネツィアにてサン・マルコ・ドゥカーレ教会の聖歌隊をメガネ無しで描く 68歳 1766』と書いてある。 甥のベルナルド・ベッロットも風景画家。 生地ヴェネツィアをパノラマ風に描き、光や大気の効果を巧みに表現した。カナレットは写真のような絵を数多く残した。カメラ・オブスクーラを使って下書きをしていたという説があるが、最近否定する意見もある。カナレットの使っていたカメラ・オブスクーラは、ヴェネツィア・コレール美術館に保存されている。 カナレットの作品の最大の収集は英国王室であるが、これは主に先述のジョゼフ・スミスのコレクションを1762年にジョージ3世が購入したものであり、絵画50点、素描140点以上、である。 ヴェネツィアは今、水位上昇や地盤沈下で水没の危機にさらされているが、カナレットをはじめとするヴェネツィア画家たちのリアルな風景画から当時の藻の繁殖状態がわかるため、水没を食い止めるための手がかりをつかめる。 |
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カナレットの作品 | ||||
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